コンパクトで取り扱いが容易なパワープローブです。携帯性に優れ、セットアップも必要なく、短時間のうちに正確なレーザー出力の測定が可能です。
タフな作りで長寿命なので、日常のレーザー出力チェックに最適です。
レーザー出力の測定は素早く簡単にでき、セッティングやアライメントに時間を要するべきではありません。理想的には、損失(ロス)が起こりそうなあらゆる箇所で測定できることです。ただ残念なことに、大半のパワーメーターでは連続的な出力測定が簡単にはできません。しかし、多くの研究室や生産現場では、作業等の中断を最小限にし即座に出力スポットが確認できることが常に求められています。レーザーをチューニングするときでさえも、研究者は望ましいモードパターンに調整することが最良であることに気づいています。
このパワープローブは熱量計タイプ(calorimeter-type)のパワーメーターであり時限照射によりレーザーの出力を測定します。較正された表示スケールに吸収された平均出力が表示され、2WのYAGレーザーから10,000WのCO2レーザー、CWもしくはパルスレーザーで使用できます。
各パワープローブは独立型であり、吸収ヘッド・温度測定機構・ゼロ調整ノブ・表示ダイヤルで構成されています。測定にあたり、最初にダイヤルをゼロに合わせます。次にパワープローブの端にある吸収ヘッドに規定時間だけレーザービームを照射します。
パワープローブをレーザービームから外した後、ダイヤルから平均出力が読み取れます。そして、ここまでに要する時間は1分間です。続けて複数のレーザー出力を測定する場合には、各測定の間に吸収ヘッドを容器の水に浸して急速冷却できます。
こうしたレーザーパワープローブはとても一般的で、Macken Instruments社では平面モデルが13種類とコニカル(円錐)モデルが3種類とを用意しています。これらのモデルには8種類の出力レンジと2種類の吸収コーティングがございます。
1200Wを超えるCO2レーザー用には、コニカルタイプの吸収ヘッドをした2種類のパワープローブがございます。標準的な平面タイプよりも、コニカルタイプは高い損傷閾値がございますが、一方で吸収ヘッド部分が厚くなり、同じ出力レンジの平面タイプよりも受光部が小さくなります。詳細はコニカルパワープローブのデータシートをご覧下さい。
型式 | 出力 範囲(W) |
波長 | 損傷閾値 (W/cm2) ** |
照射 時間 (sec) |
ワット /1メモリ |
ヘッド サイズ (cm or cm 径) |
重量 (gm) |
全長 (cm) |
精度 (%) *** |
再現性 (%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
P20Y | 2-20 | 900-1250nm* | 3000 | 30 | 0.2 | 4.58×2.54 1.8″x1″ |
22 | 89 | +/-5 | +/-1.5 |
P50Y | 5-50 | 900-1250nm* | 3000 | 20 | 0.5 | 4.58×2.54 1.8″x1″ |
22 | 98 | +/-5 | +/-1.5 |
P100Y | 10-100 | 900-1250nm* | 3000 | 20 | 1 | 5.08×3.18 2″x1.25″ |
22 | 120 | +/-5 | +/-1.5 |
P100C | 10-100 | 8-11μm | 10000 | 20 | 1 | 5.08×3.18 2″x1.25″ |
22 | 120 | +/-5 | +/-1.5 |
P200Y | 20-200 | 900-1250nm* | 2500 | 20 | 2 | 5.08 2″ |
22 | 157 | +/-5 | +/-1.5 |
P200C | 20-200 | 8-11μm | 7000 | 20 | 2 | 5.08 2″ |
22 | 157 | +/-5 | +/-1.5 |
P500Y | 50-500 | 900-1250nm* | 2000 | 20 | 5 | 5.08 2″ |
22 | 183 | +/-5 | +/-1.5 |
P500C | 50-500 | 8-11μm | 4000 | 20 | 5 | 5.08 2″ |
22 | 183 | +/-5 | +/-1.5 |
P1000Y | 100-1000 | 900-1250nm* | 1750 | 20 | 10 | 6.35 2.5″ |
22 | 287 | +/-5 | +/-1.5 |
P1000C | 100-1000 | 8-11μm | 2500 | 20 | 10 | 6.35 2.5″ |
22 | 287 | +/-5 | +/-1.5 |
P2000Y | 200-2000 | 900-1250nm* | 1200 | 20 | 20 | 7.62 3″ |
22 | 522 | +/-5 | +/-1.5 |
P2000C | 200-2000 | 8-11μm | 1500 | 20 | 20 | 7.62 3″ |
22 | 522 | +/-5 | +/-1.5 |
P4000Y | 400-4000 | 900-1250nm* | 900 | 20 | 25 | 8.89 3.5″ |
28 | 753 | +/-5 | +/-1.5 |
P4000C | 400-4000 | 8-11μm | 1100 | 20 | 25 | 8.89 3.5″ |
28 | 753 | +/-5 | +/-1.5 |
P10KY | 500-5000 1000-10k |
900-1250nm* | 750 | 20 10 |
50 100 |
8.89 3.5″ |
28 | 1144 | +/-5 | +/-1.5 |
P10KC | 500-5000 1000-10k |
8-11μm | 900 | 20 10 |
50 100 |
8.89 3.5″ |
28 | 1144 | +/-5 | +/-1.5 |
* Yタイププローブの波長レンジ
このプローブは8~11μにも較正されていますが、Cタイプのものよりも損傷閾値は低いです。250~2500nmの範囲において指定波長での較正(NIST certificate)も承ります。
** 損傷閾値
プローブを動かしながらレーザーを照射すると、静止状態に比べて損傷閾値が高く(最大で2倍)なります。円を描くようにプローブを動かし、ビームが一箇所に1.5秒以上あたらないようにすることで損傷閾値を高めることができます。
*** 精度と照射時間
パワープローブの精度と再現性はレーザー照射時間の正確さにもよります。手持ちの場合、照射時間の平均精度は約0.2秒とされており、20秒の照射時間においては1%のエラーに相当します。多くのレーザーにはシャッターが装備され、正確な照射時間にすることができます。
P20~P10Kには専用ハードプラスチックキャリングケースもご用意しております。(有料)
平面タイプのパワープローブではダメージを受けるような高い出力密度のCO2レーザービームの測定にはコニカルタイプのパワープローブが適しています。円錐形の吸収キャビティにより高い熱放散性となっています。
コニカルタイプのパワープローブにはC2K、C4K、C10Kの3種類がございます。下記の表1には各モデルの仕様が載っており、表2で平面タイプとコニカルタイプの概算の損傷閾値が載っています。
金属を切れるような高出力レーザーをご使用の場合、ビームを集光し過ぎてしまうとパワープローブの受光部にダメージを与えてしまいます。
パワープローブにダメージを与えるであろう出力密度を単一の数値としては表せません。損傷閾値はビームにおける総出力の関数であり、吸収体ヘッド部分がビーム照射中に動かされているかにもよります。
CO2レーザーの場合、白いスポットが目視できて、その他に変化が見られない程度までコーティングが熱せられたときには、プローブの吸収率にロスがなく、ダメージも無い状態ですが、プローブ表面に金属部分が見えるときにはダメージを受けています。規定の損傷閾値を十分に下回る出力密度にてご使用下さい。
出力 (1) W |
時間 (2) 秒 |
平面タイプ (3) 損傷閾値 (W/cm2) |
円錐タイプ (4) 損傷閾値 (W/cm2) |
---|---|---|---|
100 | 20 | 10000 | 15000 |
200 | 20 | 7000 | 11000 |
500 | 20 | 4000 | 8000 |
1000 | 20 | 2500 | 5000 |
2000 | 20 | 1500 | 3000 |
5000 | 20 | 1100 | 2200 |
10000 | 10 | 900 | 1800 |
レーザー照射時にプローブを動かすことで、静止状態と比べて、損傷閾値が高く(最大で2倍)なるでしょう。このように損傷閾値を上げるには、プローブ部分が円を描くように動かし、レーザービームが一箇所に連続して1.5秒以上あたらないようにします。
Macken Instruments社のデジタルパワープローブは完全な持ち運び式で使い易いカロリーメータータイプのパワーメーターです。機器構成はマイクロプロセッサによるデジタルメーターとプローブヘッドの2つです。
異なるプローブにより数Wから11kW以上までの様々なレーザーに対応しています。デジタルメーターはどのプローブでも使えるので、簡単に別の測定出力レンジのプローブへ交換できるだけでなく、同じタイプのプローブを交換して読み出し数値のチェックもできます。
Macken Instruments社には優れたダイヤルタイプのアナログレーザーパワープローブがあり、それと同様にデジタルパワープローブも時限照射を用いており、レーザーの出力測定は素早く簡単であるべきという発想に基づいています。セットアップに特別な機器や時間の掛かるアライメントは不要です。理想的には、損失(ロス)が起こりそうなあらゆる箇所で測定できることです。
残念なことに、大半のレーザーパワーメータでは継続した出力値の読み取りを簡易的に行えません。しかし、多くの研究室や生産現場では、作業等の中断を最小限にして即座に出力スポットが確認できることが常に求められています
下記の通り、デジタルパワープローブにはいくつかの素晴らしい特長があります。
DM5デジタルメーターには8種類のプローブが使用できます。プローブの出力レンジには4つ(D1, D2, D3, D4)があり、それぞれに『Y』と『C』の吸収コートがございます。
『Y』シリーズのプローブは広帯域スペクトルの吸収コーティングで特にYAGレーザーに適していますが、0.4~6μmをカバーしますのでCO2レーザーでも使用可能です。選択できます。
CO2レーザーだけで使う場合には『C』コーティングのプローブを推奨します。『C』コートでは基材のアルミが溶けるほどでなければダメージはありません。より高い損傷閾値のため、D3CとD4Cのプローブはコニカル型となっています。
プローブヘッド | D1C & D1Y |
D2C* & D2Y |
D3C* & D3Y |
D4C* & D4Y |
---|---|---|---|---|
使用出力レンジ | 20-200W | 100-1100W | 200-2200W | 1000-11000W |
照射時間 | 20秒 | 20秒 | 20秒 | 20秒 |
分解能 | 0.1W | 1W | 1W | 10W |
ヘッド径 | 1.5″ C 1.5″ Y |
1.9″ C 2.5″ Y |
2.4″ C 3″ Y |
3″ C 3.5″ Y |
ヘッド長 | 0.5″ C 0.4″ Y |
2.0″ C* 1.0″ Y |
2.3″ C* 1.3″ Y |
3.5″ C* 2.2″ Y |
精度 | +/-5% | +/-5% | +/-5% | +/-5% |
再現性 | +/-1.5% | +/-1.5% | +/-1.5% | +/-1.5% |
NIST証明書 | ご要求に応じます | ご要求に応じます | ご要求に応じます | ご要求に応じます |
*注:D2C, D3C, D4Cはコニカル型のプローブです。
CO2レーザーを使う研究者にとって、もはや耐火レンガや燻ぶったペーパーは『商売道具』ではありません。Macken Instruments社のサーマルイメージプレートを使えばリアルタイムに高い解像度で赤外レーザーのビームを目視することができます。この製品の特徴は様々な問題を解決できることで、例えば下記の内容がございます。
サーマルイメージプレートは温度感知の蛍光体を使うことで赤外レーザービームを表示します。この蛍光体は長波長の紫外(360nm)の光を当てると蛍光を発し、温度が上昇すると蛍光発光の強度は下がります。
赤外レーザービームが温度感知面に当たると、その吸収エネルギーは表面温度を上げ、相応する温度像(thermal image)を作り出します。表面が紫外に当てられたときに、作り出されたパターンは明るい蛍光背景の上に暗い色の像として現れます。異なる蛍光体を使うことや蛍光体とアルマイトのヒートシンクの間にある断熱量を変えることで、異なる感度レンジが得られます。
どのような長波長の紫外光でもプレート表面を照らすことができますが、Macken社のランプ(22-UV)が最適だと言えます。コンパクトなサイズながら、照明レベルが高いので作業範囲の外に置くことができます。
CO2レーザーの出力密度レベルは幅広く、すぐに耐火レンガに穴を開けてしまうようなものから、手の甲で感じられないようなものまでございます。このサーマルイメージプレートには8種類があり、出力感度が段階的に重なっているので出力密度が0.01W/cm2から200W/cm2までの全範囲内で使用できます。(集光ビームでは、最小検出出力は0.001W以下です)
サーマルイメージプレートの22-Aには4種類が含まれており、一般的なCO2レーザーから発振されるビームの出力密度に対応しています。通常は光学系で見つけられるような低い出力密度のビームや拡散したビームなどには22-Bが対応しています。
サーマルプレート(22-A, 22-B)の寸法は6x3x0.5インチで、プレートの側面には3×3インチサイズで2種類の感度面があります。紫外光ランプ(22-UV)のサイズは6x2x2インチです。
下記の表には各プレートの仕様(波長:8~12ミクロンで測定)を載せております。波長が4~8ミクロン帯の場合には項目a・b・cを2倍、2~4ミクロン帯では2.5倍した数値を目安として下さい
型式 | 面番号 | 通常感度範囲(a) W/cm2 |
最小出力密度(b) W/cm2 |
損傷閾値(c) W/cm2 |
応答時間(d) 秒 |
分解能(e) lines/in. |
蛍光色 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
22-A | 1 2 3 4 |
60-200 30-100 15-50 7.5-25 |
16 8 4 2 |
800 600 350 200 |
0.03 0.03 0.03 0.03 |
300 300 300 200 |
黄色 黄色 黄色 黄色 |
22-B | 5 6 7 8 |
3.3-11 1.5-5 0.4-2.4 0.06-0.4 |
0.9 0.4 0.06 0.01 |
100 44 24 4 |
0.06 0.15 0.2 1.0 |
100 50 100 16 |
黄色 黄色 黄色 黄色 |
(a)『通常感度範囲』は背景の照明を減衰させずとも容易に観察ができる出力密度の幅です。プレート表面が飽和状態になったときは出力密度の上限で、照射箇所は完全に黒色になり、ビーム内部の詳細を表示できなくなります。
(b)『最小出力密度』は最も好ましい照射の状態において観察可能な最小出力密度です。この感度のためには、室内照明は落とし、薄暗い蛍光を発生させるために紫外光照射のレベルも下げます。
(c)『損傷閾値』は温度感知表面において永続的に変化する出力密度で、少なくとも飽和状態の4倍以上のパワーファクタ(power factors, 力率)となります。そのため、ビーム照射時に飽和状態になった場合にはより感度の低いプレートを使います。
(d)『応答時間』はビームの変化が温度像(thermal image)変化として表示されるまでに要する時間の長さです。
(e)『分解能』はプレート表面においてコントラスト良く表示できる明暗ラインペアの最大数です。比較のために、新聞に載っている写真の分解能は約70lines/inchです。2度の角度で交差する2つのCO2レーザーのビームが作り出す干渉パターンは80line/inchです。
サーマルイメージプレートは200Wまでのビームを表示できます。しかし、全体的な蛍光が著しく減少するような場合には、プレートをビーム照射から外して冷却しなければなりません。こうした状態になるのはプレートが15000W秒の出力を吸収したときです。30W未満の出力であれば無期限に消散されます。
サーマルイメージプレートからの鏡面反射を取り除く対策が取られています。温度感知面とアルマイトの両方とも艶消し仕上げになっており、10.6ミクロンでは表面反射はほとんどありません。しかし赤外レーザーを扱う際には、保護ゴーグルを装着するような標準的な安全対策も常に実行して下さい。
紫外ランプの22-UVサーマルイメージプレートの22-Aと22-B及び紫外ランプの22-UVは個別でも購入できますし、またサーマルイメージキットの形でまとめて購入もできます。キットとしてご購入の場合にはプラスチック製のハードケースも付属します。均一でないビームによる広い出力密度範囲を考慮すると、最初はサーマルイメージキットを購入されることをお勧めします。
CO2レーザー用ビームプローブは赤外光学系でのアライメントを簡素化するようにデザインされた手持ちのプレートです。レーザービームは蛍光体の背景に黒っぽい像として表示されます、これはMacken社のサーマルイメージ用に開発された紫外光励起による温度感知面と同じです。
小さなサイズのビームプローブであれば光学素子の近くに配置でき、開口部に対する正確なレーザービームの位置を示します。例えばCO2レーザービームをミラー中心あるいはパワーメーターの開口部に当てる場合など、このビームプローブを使うことで調整作業が簡単になります。
Mackenの23-Kは7つのビームプローブとプラスチックケースの構成です。各ビームプローブは異なる感度域を補い、200W/cm2から0.05W/cm2までに対応します。7つのビームプローブはsurface#1, 2, 3, 4, 5, 7, 8に相当し、サーマルイメージプレートのデータシートに説明が載っています。
各ビームプローブの厚さは0.13inch、幅は1.5inchで長さが6inchです。プローブ側の先端は斜めに薄く(0.03inch)なっているので、温度感知面を光学部品に接近させられます。
ビームプローブを使用するには、紫外ランプ(model: 22-UV)を照射する必要があります。どのような長波長の紫外ランプでも使えますが、22-UVであればコンパクトで照射レベルが高く、立てることもできます。
このビームプローブは低~中出力レーザービームでの使用を主として設計されています。正確な位置調整を可能にする一方、このプレート薄さによって放熱に限界が生じます。
断続使用での最大許容出力は50Wです。50~100Wのレーザービーム出力で使用されたときには、700W秒のエネルギーを吸収した後に冷却しなければなりません。7Wかそれ以下のビーム出力であれば、このビームプローブは制限無く使用できます。
CO2レーザー用ビームプローブキット モデル:23-K (22-A, 22-B, 22-UV, ハードプラスチックケース付き)
CO2レーザー用ビームプローブ モデル:23-1 (60-200 W/cm2)
CO2レーザー用ビームプローブ モデル:23-2 (30-100 W/cm2)
CO2レーザー用ビームプローブ モデル:23-3 (15-50 W/cm2)
CO2レーザー用ビームプローブ モデル:23-4 (7.5-25 W/cm2)
CO2レーザー用ビームプローブ モデル:23-5 (2.5-11 W/cm2)
CO2レーザー用ビームプローブ モデル:23-7 (0.4-3.2 W/cm2)
CWのYAGレーザー、Nd, GaAsのパルスレーザー
連続での最大平均出力は200W
0.7~1.3ミクロンに対応
赤外表示プレート(IR Display Plate)は汎用的な器具で、あらゆる近赤外レーザーのビームを明瞭かつ高コントラストで表示します。この表示プレートは赤外域の感度のある蛍光体(phosphor)で作られており、様々な独自の特徴(パルスレーザーに対して可変イメージ保持時間、CWのYAGレーザーにおける高い解像度、赤外発光ダイオードへの優れた応答性など)がございます。あらゆる近赤外レーザーが幅広い感度域にわたって表示できます。
モデル24には3種類の赤外感度域の異なる受光面(surface)があり、近赤外レーザーの表示(視認化)における多様な要求にも対応します。
Surface #1はYAGレーザーでの使用を主として設計されています。紫外線ランプを照射すると、表面が鮮やかな黄色の蛍光を発します。この蛍光面に近赤外の光が当たると、蛍光発光性が抑えられることになります。そのため、明るく蛍光発光した面上に赤外ビームは黒っぽい像として現れます。例えばUVランプの照射距離などにより紫外照明の強度を変えることで、蛍光面の感度を変えられます。応答時間もUVランプの照射によって変わるのですが通常は10ミリ秒未満です。このような早い応答時間は急速に変化するYAGのモードパターンを見るのには適していますが、単一パルスのレーザーを見るにはあまりにも回復時間が早すぎます。
Surface#2はネオジウム(neodymium)及び他の赤外のパルスレーザーで使用するよう設計されています。表面の蛍光色は明るい緑色で、Surface#1のように明るい背景の中に赤外光の部分が黒っぽい像として表れます。しかし、この蛍光面の減衰時間はより長いので、パルスレーザーを見るのには理想的です。紫外光の照射時間によって、蛍光面にあるビーム像の保持時間は1/10秒から数分まで変えられます。より強い紫外光を照射すると、像の保持時間はより短くなります。紫外光を当てない場合や背景の蛍光色は薄い場合などでは、表面の燐光は数分間もレーザービームのパターンを保ち続けます。
Surface#3はガリウムヒ素(GaAs)発光ダイオードやCWのYAGレーザーを見るために設計されています。この蛍光面の作用原理は先の2種類とは異なります。室内の蛍光灯や紫外光に曝されたときに、エネルギーが蛍光体の表面に蓄えられます。そして近赤外の放射によって蓄えられたエネルギーがオレンジイエローの光として開放されます。その結果として、ビームは暗い背景の上に明るい像として表れます。蛍光体が一定量の赤外エネルギーを吸収してしまうと、蛍光体の表面は(最初に蓄えたエネルギーを)消耗された状態になります。そうなった場合には、蛍光体表面の別の場所にビームを当てるか、エネルギーを再蓄積させます。
全てのプレート及び蛍光体表面は安全性を考慮して艶消し仕上げになっています。
CO2レーザーのもつ全ての発振線を同時に表示できる分光計です。軽量で携帯性にすぐれ、簡単にお使い頂けます。
また、キャリブレーション済みなので調整は必要なく、すぐにご使用になれます。
CO2レーザースペクトラムアナライザーは独自の回折格子分光計で、CO2レーザーの持つ全ての発振線を同時に表示できます。波長と回転スペクトルの両方の指標により、9.1~11.3ミクロンの範囲内にある140のレーザー遷移を簡単に確認できます。それらの遷移値は紫外光で励起された温度感知スクリーンを使うことで視覚的に表示されまして、赤外レーザーのビームが当たると暗く見えます。
スクリーンの応答速度は1/4秒で、CO2の回転スペクトルを全て明らかにします。モデル16-Aは軽くて持ち運びができ、実験設備への導入も容易です。
上記は波長スケール全体を写したものです。スケールの上側はCO2の回転スペクトル、下側は波長(micron)と2種類の指標になっています。スケールの中心部分に温度感知スクリーン(黄色)があり、レーザー波長が黒い線で表されます。
このスペクトル解析スクリーンは広い感度域を持っているので、20倍までの異なる出力密度のスペクトルを同時に表示できます。この装置は製造時に較正されているので調整作業は不要ですが、簡単な操作で較正状態をチェックですることも可能です。
波長範囲:9.1μm~11.3μm
分解能:003μm (0.3cm-1)
最大出力:100W
最小出力(focused):0.01W
スクリーン応答時間:25秒*
長さ:18″
幅:9.9″
*異なる感度や応答時間も対応可能です。
最小高:6.5″
スリットの高さ:2.25″~3.8″(調節可能)
電力:115V、60 Hz、10W
12C16O2振動回転スペクトル
識別:
0001-0200 P2~P60、R2~R62
0001-1000 P2~P56、R2~R60
0111-1110 P19~P45
TEAレーザー用の追加ディスプレイも含まれます。
測定中はビームの一部が可変スリットを通過するように装置の前面にレーザーを当てます。通常はレーザービームには十分な強度があります、スリットに対して集光する必要はありません。スリットを通らない光は艶消しのアルマイト加工された筐体に吸収されます。
内部のビームモニターはサーマルイメージプレートで、スリットを通過したCO2レーザーのビームを表示します。このモニターを確認しながら、レーザービームが適正に入射されるようにスペクトラムアナライザーの位置を調整します。モニターは回転式になっており、位置調整が完了後は前面パネルにあるノブを回して光軸上からモニターを外して、ビームが表示スクリーンに到達するようにします。
筐体上部の後方にある開閉式の窓を開けると波長スケールが見えます。この方法により、室内照明からの影響を受けることなく、蛍光性ディプレイの表面へ均一な紫外光を照射できます。また、広い視野で見えるようにケースを外して使うこともできます。
モデル16AはCO2レーザー(12C16O2 isotope)で使用することを主に設計されましたが、その他のレーザーでも使用可能です。例えば、NO2レーザーは16Aの設計域内の波長を発します。また、回折格子の2次光の波長域が4.55~5.65ミクロンなので、一酸化炭素レーザーが持つスペクトルの一部も表示できますし、1.06ミクロン付近であっても回折格子の10次光を使うことで表示が可能です。
スペクトラムアナライザーは10mW以上の出力を持つ他のIRレーザーの計測もできます。CO、HF、DFレーザー用のスペクトラムアナライザーは標準品として用意されています。(別紙の資料を参照)また、リクエストに応じてN2O、CS2、isotopic CO2や広帯域波長などに対応したアナライザーもございます。
このCO2スペクトラムアナライザーは独自の折り返し光学設計を用いることで、装置自体の長さは18インチ(457.2mm)ですが、7.5フィート(2,286mm)の光路長を実現しています。上の写真は部分的に組み立てたアナライザーにHe-Neレーザーを入射したものですが、光路上に遮るものが無いことが分かります。
このアナライザーは外付けのディテクターを取り付けることでモノクロメーターとしても使用できます。光をディテクターへ入れるために表示スクリーンは取り外しますが、温度感知スクリーンを外しても装置の較正には影響しません。
CO2レーザーから得られる多くの波長は、3つの振動遷移(0001-1000, 0001-0200, 0111-1110)の分裂した回転スペクトルから生まれます。このようなレベルでの衝突結合は十分に高速であり、連続単一モードCO2レーザーがただ一つの長さにおいて一度に発振します。しかし、何か波長選択装置のようなものを備えている場合を除いては少しもキャビティ長が変わらない状況において、通常はそうしたレーザーはある回転スペクトルから別のスペクトルへと遷移します。
CO2レーザーではよくあることですが、キャビティの長さが約1/2波長ほど変化するときに5あるいは10の回転スペクトルにおいて連続してレーザー発振します。通常、レーザーの作用は10.6, 10.2と9.6ミクロンに近い高ゲインラインで起こりますが、ウィンドウにおける誘電体コートもしくはファブリ・ペロー共振による反射率の変化によって、この範囲が広げられます。マルチモードレーザは一度に複数の回転スペクトルにおいて発振できますが、異なる回転スペクトルがあることによってのみ異なるレーザー放電量で発振できます。
CO2が多くの波長でレーザー発振する能力によって20%の波長間隔以上でレーザーを調整できる柔軟性をもたらします。しかし、多くの実験においては多波長であることが問題となり得ます。例えば、2つのレーザーのヘテロダインを試みたときに、ビート信号を受けるために両者は同じ回転スペクトルで振動していまいます。また回転スペクトル間をジャンプするレーザーはほぼ一定の出力を発しますが、ビームがファブリ・ペロー共振を持つようなウィンドウあるはビームスプリッターを通過した場合には波長変化は強度変化にもなり得ます。
過去において、他のアプリケーション向けに設計された赤外用走査型分光計を使うのが回転スペクトルを測定する唯一の方法でした。それらの装置は大き過ぎるために簡単にはレーザーシステムへ導入できず、また単にレーザーの様子を正確に表すこともできません。
一般的に、高分解の波長走査は数秒を要します。この間に、レーザーの波長が数回も変わってしまう可能性があります。波長は断続的に変化するため、走査型分光計は完全に検出した波長を見失います。別の走査では、不安定なレーザー波長を数回捉えて、それらが同時に作動しているような印象を与えます。
Macken社のCO2スペクトラムアナライザーは全てのスペクトルを同時に表し、完全なスペクトルを正確に表示します。温度感知表示のスクリーンを使うことで波長情報の並列処理を可能にします。もしも温度感知スクリーンを非走査型検出アレイに置き換えようと試みた場合には、同様の波長分解能を得るには1000個の検出器が必要になるでしょう。
温度感知の蛍光体はスリットの高さに従って(空間)波長の変化を表示するという利点もございます。この便利な特性では多くの場合、(波長スケールの)上側は1つの波長で発振するマルチモードビームを表すと同時に、下側は異なる波長での発振を表します。
CO2レーザーの波長とは出力あるいはモード構造と同じように重要なパラメータです。波長についての情報がなければ、レーザーによるテストの精度と再現性に影響を及ぼします。モデル16Aは、この基本情報を簡単に得られる装置としての要求を満たしています。
Macken Instrumentsでは、CO2レーザー用と似たCO, HF, DFレーザー用に較正されたスペクトラムアナライザーも販売しています。仕様概要については16-Aのデータシートをご覧下さい。
最大出力(連続使用) | 75W |
最小出力(focused single wavelength) | 0.03W*(Screen #7) 0.01W(Screen #8) |
応答時間 | 25秒(Screen #7) 1.0秒(Screen #8) |
寸法 | 18″Lx9.9″Wx6.5″H |
スリット高さ | 2.25″~3.8″ 調節可能 |
電力 | 115V, 60Hz, 10W 230V, 50Hz, 10W |
CO(一酸化炭素)及びHF(フッ化水素)の波長において、もし特定の発振線が大気水蒸気により強く吸収されるのであれば、上記よりも高い出力が必要となります。乾燥窒素を機器に流すか乾燥剤を使用することで、スペクトラムアナライザー内部における水蒸気の含有量を減らすことができます。 |
COレーザー用には2種類がございます。仕様を見ますと、16-C(CO)は16-B(CO)よりも分解能は高いのですが、波長レンジは狭くなります。16-C(CO)の波長レンジは4.8~5.9μmまであり、ほとんど全ての連続発振COレーザーに対応しています。この範囲は参考文献の示す波長域(16-B(CO)であれば測定可能です)を超えていますが、通常は両モデルともパルス発振あるいは波長選択するレーザーミラーを用いた状況でのみ使われます。波長レンジを狭くすることで得られる優れた分解能は主要なアプリケーションにとって便利なものとされています。16-Bは別売りの波長スケールに交換するだけでHF(フッ化水素)レーザーの測定にも使用でき、交換されたモデルは16-B(HF)となります。上記にある全てのモデルはでは波長(wavelength)と波数(wave number)とによる目盛になっています。
先に述べたように、16-BシリーズにおいてはHF(フッ化水素)とCO(一酸化炭素)のスケールは取り換えが可能ですので、COレーザー用スケールだけを後からお買い求めになることもできます
このモデルの目盛スケールでは波長とレーザー遷移(laser transition)とで示します。遷移の識別は次の通りです。
1 -> 0 band P(5) to P(12); 2 -> 1 band P(4) to P(13); 3 -> 2 band P(4) -> P(13)
このスペクトラムアナライザーは#7と#8と呼ばれる2種類の温度感知表示スクリーンを備えています。両スクリーンは、それぞれ異なる感度・反応時間・分解能を持っており、その特性はサーマルイメージプレートやビームプローブの#7と#8に相当します。#8のスクリーンは#7よりも感度が高いので微弱な回転スペクトル(rotational lines)の検出に有効ですが、その反面、分解能が低くなり時定数(time constant)も長くなります。また優れた感度は低エネルギーのパルスに対しても有効です。
いずれのスクリーンも出力密度が10倍異なる複数のラインを同時に表示できます。出力密度のレンジが十分に広くないときには、スペクトラムアナライザーは最も強い回転スペクトルをブロックするようになっています。これによって、最も弱い回転スペクトルを表示するのに十分なほどスリットは開いている場合にスクリーンがダメージを受けることを防ぎます。
CO・HF・DFレーザーは同時に多数の回転スペクトルを発振できるので、出力全体の1%程度しかない最も微弱なものでも捉えることができます。このスペクトラムアナライザーはミリワット程度の出力まで個々の回転スペクトルを表示はできますが、最も弱い回転スペクトルを見るためには全体のレーザー出力が1W以上であることを推奨します。
表示スクリーンがダメージを受けないようにするため、スクリーンを回して未使用の部分へレーザーを照射します。スクリーンのみの追加購入もできますし、16-B(CO)から16-B(HF)もしくはその反対へ変更するための波長スケールも購入できます。CO用スケールは16-WSCO、HF用スケールは16-WSHFというモデルになります。
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