LC-TecのFOS(Fast Optical Shutter)シリーズは、外部から印加される駆動電圧によって光の透過率を制御する液晶(LC)ベースの光シャッター(可変フィルター)シリーズです。
従来の機械式シャッターと比較して、液晶シャッターは可動部品がありませんので、動作中の振動が完全にありません。また設置面積を小さくすることができるといった長所もございます。
FOSシリーズは交差した直線偏光子の間に液晶セルが挟まれる形で構成されています(一部のモデルは、2枚の液晶セルで構成されています)。駆動電圧を印加して複屈折液晶分子を再配向し、液晶セルを通過する光の位相差を変化させます。
この結果、光の透過率を制御しシャッターとして機能します。印加電圧を変調することによって、完全に開いた状態と閉じた状態との間のアナログ階調を実現でき、可変フィルタとして使用することもできます。
FOSシリーズ液晶シャッター概要カタログ(PDF 258KB)
FOSシリーズ液晶シャッター概要カタログ日本語版(PDF 373KB)
など
など
様々なアプリケーションに対応できるよう、異なる電気光学特性のモデルがあります。
Model | Open state transmittance |
Contrast | Closing time (T100-T10) |
Opening time (T0-T90) |
VD |
---|---|---|---|---|---|
FOS | ≥39.5% | ≥1,000:1 ≥1,800:1 |
≤6ms ≤150μs |
≤30ms ≤35ms |
@4VRMS @24VRMS |
FOS-ETR | ≥32.5% | ≥850:1 ≥1,200:1 |
≤6ms ≤500μs |
≤35ms ≤40ms |
@5VRMS @18VRMS |
FOS-NIR(1100HT) | ≥37.0% | ≥250:1 ≥350:1 |
≤5ms ≤120μs |
≤15ms ≤20ms |
@5VRMS @24VRMS |
X-FOS(G2) | ≥37.5% | ≥1,800:1 | ≤50μs | ≤1.8ms | @18VRMS |
X-FOS(G2)-CE | ≥30.0% | ≥120,000:1 | ≤50μs | ≤1.8ms | @18VRMS |
X-FOS(G2)-LAS | Under development | ||||
PolarSpeed®-S | ≥37.5% | ≥300:1 | ≤30μs | ≤30μs | @24VRMS |
PolarView®ND(212) | ≥25% | ≥1,000:1 | ≤10ms | ≤15ms | @4.5VRMS |
PolarView®ND(14)-F | ≥50% | ≥10:1 | ≤200ms | ≤700ms | @7VRMS |
FSD | ≥83% | Light scattering | ≤7ms | ≤9ms | @110VRMS |
注)
上記数値は1x1inchのサイズを室温且つ無偏光光源で使用した場合です。上記における透過率とコントラストの定義については、1100nmに最適化されたFOS-NIR(1100)を除き、カタログの10.1に記載されております。仕様詳細は個別のカタログをご覧下さい。
標準サイズは、7mmx8mm、13mmx15mm、 1インチ角、2インチ角、1インチ径、2インチ径ですが、カスタム設計にて最大14インチx16インチサイズまで対応可能です。
Standard Size | Outer dimensions | Clear aperture | Thickness |
---|---|---|---|
7×8 | 7mmx8mm | 5mmx5mm | Model dependent, ranging from 1.3 to 5.3mm |
13×15 | 13mmx15mm | 9.8mmx9.8mm | |
1×1 | 25.4mmx25.4mm | 22.2mmx20.2mm | |
2×2 | 50.8mmx50.8mm | 47.6mmx45.6mm | |
D1(circular) | 25.4mm diameter | 22.2mm diameter | |
D2(circular) | 50.8mm diameter | 47.0mm diameter |
注)
各モデルの正確な寸法/公差およびご提供可能な標準サイズについては各製品仕様詳細をご参照ください。
大半のモデルにおいてシャッター表面に反射防止と耐傷性のあるハードコートがされております。また、アプリケーションによってはシャッター両面に高効率の反射防止コートがされたカバーガラスを張り付けることも可能です。これは表面反射やビームのずれ、波面のゆがみ等を最小限に抑えられますのでイメージングの用途に最適です。
標準品は液晶シャッターに接合されましたコンタクトピンによる接続となっておりますが、フレキシブル・フラットケーブル(FFC)やリード線などへの設計変更も可能です。
シャッターは単安定(mono-stable)のノーマリーホワイト(nomally-white)駆動ですので、電圧が印加されていない時が全開の透光状態*となります。そして電圧が印加されますとシャッターが閉じ、光吸収状態**となります。電圧が印加されている間は閉じた状態を保つことができます。
一般的に駆動電圧値を上げることでコントラストが強くなり、シャッターが閉じるまでの時間(closing time)が短くなります。またシャッターの透過率はRMS電圧によります。シャッターの性能や寿命を損ないかねない液晶層内のイオン移動(Ion migration)を避けるためには、完全にDCバイアスの無い駆動信号を使用されることを推奨いたします。
下図は2種類のAC矩形波による理想的な駆動パターンです。
(A)
(B)
* PolarSpeed®-S, PolarView-ND®(212), FDSは逆の駆動(Normally-Black Operation) です。
** PolarSpeed®-Sは特定のデュアルシグナルの駆動電圧波形が必要です(詳細は個別カタログをご覧下さい)
ベーシックモデルのFOSは高コントラストと高速開閉が可能な液晶シャッターです。極度な高速動作を必要としない、汎用の光シャッターをお求めの方に適したモデルです。カスタムモデルとして、シャッター閉状態において視野角全体での光減衰の均一性に優れたFOS-WV (wide-view version)、より高速開閉となるFOS(G2)-CN (color-neutral version)などもございます。
FOS-ETRは温度耐性に特化したモデルで、-40度~100度の環境下において保管及び使用が可能です。
FOS-NIR(1100)は最適化波長が1100nmで可視~近赤外(up to 2000nm)の広帯域において高い透過率が得られます。
第2世代のX-FOS(G2)は最も高速な単一セルのシャッターで、ベーシックモデルのFOSに比べてシャッター開閉の動作がより高速になっています。高周波数でシャッター開閉をするアプリケーションに適しています。
X-FOS(G2)-CEは2層セル構造になっており、シャッター閉の状態で非常に高い光減衰(消光比)を実現します。 溶接作業時の目の保護など、より高速でシャッターを閉じ且つ完全に閉じた状態が求められる用途に適しています。
LC-TECの特許技術であるPolarSpeed®を用いた2層セルのシャッターで、開閉動作速度が30マイクロ秒という前例のない速さです。PolarSpeed®は時間多重方式の3次元映像のような高フレームレートでの用途に最適であり、最大540FPSの駆動にも適しています。
特許を持つPolarView®-ND(212)はカメラ用NDフィルターとして特別に設計されたモデルです。他のモデルに比べて、全開閉の状態だけでなく中間のグレーレベルにおいても、角度依存のない透過率の均一性と色収差の低減という特性があります。また、Fストップは2~12(透過率:25%~0.024%)までに対応しています。
偏光子のついていないFSDは透過と光散乱の状態を切り替えることができます。シャッターを開いた状態での透過率は83%以上であり、閉じると光が拡散された状態になります。
FOS、X-FOS(G2)、PolarSpeed®-Sの各モデルは前後の偏光子を外し、偏光変調器としてご提供することも可能です。
シャッターは電圧が印加されていない場合、完全に開いた状態にあります。
電圧が印加されると閉まる状態になります。電圧が印加されている間はシャッターは閉じています。(Polar xxxの製品はこの逆になります。)一般に、駆動電圧の振幅を大きくすると、コントラストを向上させ、閉鎖時間を短縮することができます。
シャッターの透過率は、RMS電圧に反応します。
駆動信号にDCバイアスが無い状態にすることでシャッターの性能と寿命をより長く維持することができます。
これは下図 (B)のような矩形波を使用することによって達成されます。
下図(A)のように使用する場合、最小周波数60Hzで使用することを推奨します。
これは視覚フリッカを避けるためです。
(B)のような開閉状態の循環動作で使用することを推奨します。
(A)
(B)
標準品の中で望ましい液晶シャッターが無い場合、お客様の仕様に合わせた(電気的特性、サイズ他)カスタム設計が可能です。
1個のカスタム品から数百万/月産の大量生産に対応可能です。
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LC-TecのFPM (Fast Polarization Modulator)シリーズには様々な液晶ベースの偏光モジュレータ(ローテータ)があり、外部から印加する駆動電圧によって透過光を制御します。電気的な制御のために可動部品が無く、完全な防振性やコンパクトな設置面積といった長所がございます。
多くのモジュレータは液晶セルと偏光子とで構成されています。駆動電圧が印加されると複屈折の液晶分子の向きが変化するので、この液晶セルを通過する光の位相遅延(Phase Retardation)が変わります。その結果、モジュレータを通りぬける光の偏光が変化します 。
FPMシリーズ液晶偏光モジュレータ概要カタログ(PDF 396KB)
FPMシリーズ液晶偏光モジュレータ概要カタログ日本語版(PDF 406KB)
など
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様々なアプリケーションに対応できるよう、異なる電気光学特性のモデルがあります。
Model | Number of Polarization output states |
Transmittance | Polarization Contrast* |
Recponce time (T100-T10) |
Relaxation time (T0-T90) |
VD |
---|---|---|---|---|---|---|
FPM (L) | 2 | ≥43.5% | ≥60:1 ≥1,800:1 |
≤6ms | ≤30ms | @4VRMS |
FPM (L)-NIR(1100) | 2 | ≥40.0% | ≥200:1 ≥300:1 |
≤5ms | ≤15ms | @5VRMS |
X-FPM (L) | 2 | ≥43.5% | ≥20:1 ≥1,800:1 |
≤30μs | ≤1.8ms | @24VRMS |
X-FPM (4L) | 4 | ≥41.0% | ≥120:1/ ≥30:1 ≥500:1 |
≤30μs | ≤1.8ms | @24VRMS |
X-FOS(G2)-LAS | Under development | |||||
PolarSpeed®-M (L) | 2 | ≥42.0% | ≥20:1 ≥120:1 |
≤30μs | ≤30μs | @24VRMS |
VPR | Continuous | ≥41% | ≥75:1 all outputs changes≥20° |
≤10ms all outputs |
≤15ms all outputs changes≥20° |
@9VRMS |
注)
上記数値は2x2inchのサイズを室温且つ無偏光光源で使用した場合です。 但し、FPM (L)-NIR(1100)では設計波長である1100nm、VPRでは狭帯域波長にて測定しています。上記の透過率
とコントラストの説明はカタログの10.1にございますので、仕様詳細と合わせてご覧下さい。
標準サイズは、7mmx8mm、13mmx15mm、 1インチ角、2インチ角、1インチ径、2インチ径ですが、カスタム設計にて最大14インチx16インチサイズまで対応可能です。
Standard Size | Outer dimensions | Clear aperture | Thickness |
---|---|---|---|
7×8 | 7mmx8mm | 5mmx5mm | Model dependent, ranging from 1.3 to 4.85mm |
13×15 | 13mmx15mm | 9.8mmx9.8mm | |
1×1 | 25.4mmx25.4mm | 22.2mmx20.2mm | |
2×2 | 50.8mmx50.8mm | 47.6mmx45.6mm | |
D1(circular) | 25.4mm diameter | 22.2mm diameter | |
D2(circular) | 50.8mm diameter | 47.0mm diameter |
注)
各モデルの正確な寸法/公差およびご提供可能な標準サイズについては各製品仕様詳細をご参照ください。
通常、偏光モジュレータは直線偏光での出力になっていますが、他の偏光状態の切り替えにも設計できます。例えば直線偏光と円偏光、あるいは左回りと右回りの円偏光の切り替えなども可能です。
標準仕様では偏光モジュレータの入射面(用途によっては出射面ですが)に偏光子が取り付けられていますが、偏光子の無い状態でも提供可能です。
大半のモデルにおいてシャッター表面に反射防止と耐傷性のあるハードコートがされております。また、アプリケーションによってはシャッター両面に高効率の反射防止コートがされたカバーガラスを張り付けることも可能です。これは表面反射やビームのずれ、波面のゆがみ等を最小限に抑えられますのでイメージングの用途に最適です。
標準品は液晶シャッターに接合されましたコンタクトピンによる接続となっておりますが、フレキシブル・フラットケーブル(FFC)やリード線などへの設計変更も可能です。
モジュレータに単安定(mono-stable)のノーマリーホワイト(nomally-white)駆動ですので、電圧が印加されていない時が全開の透光状態*となります。そして電圧が印加されますとシャッターが閉じ、光吸収状態**となります。電圧が印加されている間は閉じた状態を保つことができます。
一般的に駆動電圧値を上げることでコントラストが強くなり、シャッターが閉じるまでの時間(closing time)が短くなります。またシャッターの透過率はRMS電圧によります。シャッターの性能や寿命を損ないかねない液晶層内のイオン移動(Ion migration)を避けるためには、完全にDCバイアスの無い駆動信号を使用されることを推奨いたします。
下図は2種類のAC矩形波による理想的な駆動パターンです。
(A)
(B)
(A)の駆動パターンにおいてチラツキ(visual flicker)を抑えるためには60Hz以上の周波数を推奨します。一方(B)の駆動パターンは2つの偏光状態の出力を周期的に行う場合に適しています。
* PolarSpeed®-M (L)では逆の駆動です。(印加電圧の無いときは偏光が変化しません)。
** PolarSpeed®-M (L)は特定のデュアルシグナルの駆動電圧波形が必要です。(詳細は個別カタログをご覧下さい)
ベーシックモデルのFPM (L)は直交する2つの偏光状態を高コントラストで高速切り替えが可能な偏光モジュレータです。極度な高速動作を必要としない、汎用の偏光モジュレータをお求めの方に適したモデルです。
FPM (L)-NIR(1100)は最適化波長が1100nmで設計され、可視~近赤外(up to 2000nm)の広帯域で使用できます。
X-FPM (L)は最も高速な単一セルの偏光モジュレータで、ベーシックモデルのFPM (L)に比べてスイッチング動作がより高速になっています。高周波数で2つの偏光状態を切り替えるようなアプリケーションに適しています。
X-FPM (4L)は2層セルの構造になっており、4つの直線偏光(-45度、0度、+45度、+90度)の切り替え動作が出来ます。偏光イメージングのアプリケーションにとても適しています。
LC-TEC社の特許技術であるPolarSpeed®を用いた2層セルのモジュレータで、偏光切り替え速度が30マイクロ秒という前例のない速さです。このモジュレータは時間多重方式の3次元映像のような高フレームレートでの用途に最適であり、最大540FPSの駆動にも適しています。
PolarSpeed®技術は『DepthQ®』という偏光モジュレータにも使われており、LC-TEC社とって長年にわたるパートナーである米国のLightspeed Design社が3Dプロジェクションの用途でDepthQ®を独占販売しています。* 弊社にてDepthQ®のご提供はできません。
VPRは他の偏光モジュレータとは異なり、0~180度の範囲内で連続的に直線偏光を回転させることができます。
FPM、X-FPM (L)、PolarSpeed®-M (L)の各モデルは前後の偏光子を取り付けた、液晶シャッターとして主にご提供しております。
モジュレータは電圧が印加されていないときには偏光が変化させられた状態にあります。
電圧が印加されると閉まる状態になります。電圧が印加されている間は無変化状態を保てます。(Polar xxxの製品はこの逆になります。)一般に、駆動電圧値を上げることで無変化状態でのコントラストが強くなり、応答時間も短くなります。
モジュレータの偏光出力はRMS電圧によります。
駆動信号にDCバイアスが無い状態にすることでモジュレータの性能と寿命をより長く維持することができます。
これは下図 (B)のような矩形波を使用することによって達成されます。
下図(A)のように使用する場合、最小周波数60Hzで使用することを推奨します。
これは視覚フリッカを避けるためです。
(B)のような開閉状態の循環動作で使用することを推奨します。
(A)
(B)
標準品の中で望ましい液晶偏光モジュレータが無い場合、お客様の仕様に合わせた(電気的特性、サイズ他)カスタム設計が可能です。
1個のカスタム品から数百万/月産の大量生産に対応可能です。
LC-TEC社では液晶シャッターで培った技術やノウハウをベースに液晶可変NDフィルタの開発を続けてきました。
液晶シャッターでは印加電圧のON/OFFによりシャッターとしての開閉動作を行いますが、印加する電圧値を調整することで開閉動作の中間的な作用として透過率が変化することから、可変NDフィルタとしての有用性に着目しました。
基本原理は液晶シャッターと同じですが、カメラに用いるNDフィルタとしてはクリアすべき様々な課題があり、長い時間をかけて液晶材料や各種コーティングなどの研究開発を行ってきました。
そしてこの度、新型の『PolarView®-eND(NBf2.0)-IQUV』が完成しました。
Parameter | PolarView®-eND(NBf2.0)-IQUV |
---|---|
Technology | Guest host-based liquid crystal |
Mode of operation | Normally black |
Number of gray levels | Infinite |
Polarization dependent | No |
Substrate material | Polished soda lime glass |
AR coating | Yes |
UV-cut | Yes |
IR-cut | No |
Scratch resistance | 1H |
また、カメラ向けの液晶NDフィルタの他に、スマートアイウェア向けとなる電子調光フィルタ『PolarView®-eND(NW55%)』もございます。
スマートアイウェア用電子調光フィルタ(PDF 5.35MB)
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