ARC Optix社では液晶を用いた偏光制御デバイスを製作してます。同社の製品の中で、特に注目すべきはラジアル偏光コンバーターです。また、偏光ローテーターとフェイズリターダーには基礎研究・実験用とOEM用がラインナップされており、さらにUSB接続の液晶ドライバーもございます。
ネマティック液晶を用いたこの製品は、直線偏光の入射ビームをラジアル(Radial)偏光とアジマス(azimuthal)偏光へ変換します。対応波長範囲は350~1700nmと広く、可視域での透過率は70%以上と低損失です。
ラジアル偏光コンバーターは、直線偏光のビームをつなぎ目無く、連続的にラジアル偏光あるいはアジマス偏光に変換します。
液晶分子の特別な位置調整により、コンバーターは、局所的に直線偏光の向きを回転させます。
ラゲールガウスビームまたはドーナツビームの生成
ラジアル偏光コンバーターを使用することにより、簡単にラゲールガウスビームあるいはベッセルビームを生成できます(範囲VIS-NIR、パルスでも可能)。
コンバーター通過後のアジマス偏光のコリメートビームを集光(ここではNA0.9)することにより、下図のようなドーナツ型のビームが生成されます。
そしてx軸あるいはy軸に平行な直線偏光子を用いることにより、前述ドーナツビームと同成分の二つのスポットのビームがそれぞれ得られます。
さらに環状スリットを挿入することにより1次光のベッセルガウシアンビーム(ボーテックス)ビームを得ることができます。
ラゲールガウスビームまたはドーナツビームの生成
ラジアル偏光コンバーターは均一に、環状にラビング処理されたツイストネマティック液晶で、構成されています。
これらのねじれ角はπ/2よりも常に小さくなっています。
入射する直線偏光のビームの偏光方向が液晶の配向膜に対し、水平または垂直であるとき、出射側ビームの偏光がラジアル偏光またはアジマス偏光になります。つまり入射側のビームの偏光方向を回転させることにより、ラジアル偏光からアジマス偏光に切り替えることができます。
(実際にはTNセルに印過電圧することでラジアル、アジマスを切替いたします。)
波長域 | 350~1700nm |
---|---|
有効開口径 | 10mmφ |
透過率 | 70%以上(@ VIS) |
基板材質 | ガラス |
使用温度 | 10~50℃ |
駆動電圧 | 0~5V(min 50Hz) 矩形波 |
強度均一性 | 1%以下 |
リターダー材質 | ネマティック液晶 |
消光比 | ~1:100楕円 @ 630nm |
外形寸法 | 60×40×15mm |
損傷閾値 | 200W/cm2 CW 100mJ/cm2 10ns, VIS 100mJ/cm2 10ns, 1064nm |
ドーナツ型焦点(焦点サイズの縮小)
共焦点顕微鏡等の用途において、高NA対物レンズ前面でドーナツ型焦点生成をすることができます。
偏光軸ファインダー(PAF)
ラジアル偏光コンバーターはポラライザーを使用することによって偏光軸ファインダー(PAF)として使用することができます。
光トラッピング (Optical trapping)
ラジアル偏光を集光することによりドーナツ型の焦点をつくります、これによりトラッピング力を増加することができます。
レーザーカッティング
材質を切断するレーザー光の偏光方向は重要なパラメーターです。
P偏光を使う場合S偏光の2倍の速さで切断が可能です。
ほとんどの切断機は平均速度を上げるため、円偏光を使用しています。
ラジアル偏光の光は円偏光よりも切断速度を上げることが可能です。
ラジアル偏光コンバーターは、高強度(500W/ cm^2)に耐えられます。
ラジアル偏光コンバーターは、標準的なファンクションジェネレーターで駆動できますが、ARC Optixから専用のLCドライバーをご提供することもできます。
このLCドライバーはUSB接続によってPCで、コンバーター内部のTNセル(アジマス偏光、ラジアル偏光の切り替え)を制御します。
二つの独立した出力(Limo コネクター)があり、Windows互換のソフトウェアを介して制御されます。
透過型液晶を使用したフェイズリターダーです。波長帯域は350~1800nmと広く、可視光域での透過率は85%と低損失です。製品のサイズはコンパクトで頑丈な作りになっています。自社製のUSBドライバーの他、一般的なファンクションジェネレーターでも制御可能です。ラボユースとOEMユースの2種類があり、様々なアプリーションに対応致します。
USB接続タイプのドライバーです。ラジアル偏光コンバーターをはじめ、自社の液晶デバイスに対応したドライバーです。非常にコンパクトなサイズであり、またUSB接続なので場所を選ばずお使い頂けます。専用ソフトも付属しており、操作も簡単です。
ARC Optix社では可変型アッテネーターも製造しております。減衰値のことなる2種類があり、いずれも使用波長は350~700nmです。
ネマティック液晶を用いて、直線偏光を45度もしくは90度へ回転させる液晶デバイスです。使用可能な波長帯域が広く(350~1700nm)、透過効率が高いのが特徴です。ラボユースタイプとOEMタイプをご用意しており、いずれも回転角は特注対応が可能です。自社のUSBドライバー、もしくはファンクションジェネレーターでも制御可能です。
USB接続タイプのドライバーです。ラジアル偏光コンバーターをはじめ、自社の液晶デバイスに対応したドライバーです。非常にコンパクトなサイズであり、またUSB接続なので場所を選ばずお使い頂けます。専用ソフトも付属しており、操作も簡単です。
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