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グリンレンズ(GRIN lens)・内視鏡(Endoscopy)用グリンレンズ

gradient index lenses

グリンレンズの手引き

GRIN(Gradient Index)レンズの作用を説明するのには、従来のレンズと比較することが最適です。
従来のレンズでは、成型されたレンズ面に光線が入ると、空気から均質物質での屈折率の急変によって、まず光線の屈折が起こります。
次に、光線はレンズの中を直進し、レンズ材質から空気中への急激なインデックス変化が起こるレンズの出口面において再び屈折をします。(Fig 1の右図参照)

精密な表面形状を持つレンズは光線を焦点へ集光し、イメージ(像)を作り出します。
しかし、従来のレンズ表面の作製に求められる高い精度はレンズの小型化に負担となり、生産コストの上昇も伴ってしまいます。

レンズ材質内部の屈折率を連続的に変化させることでレンズの特性(性能)を決めることができるGRINレンズは興味深い選択肢の1つと言えます。
GRINレンズは複雑な面形状ではなく、平らな光学面が使用されます。最終的に焦点へ集光されるまで、光線は連続的に屈曲されます。(Fig 1の左図参照)

レンズの厚さ(直径)は0.2mmまで製作可能です。シンプルなレンズ形状によって生産コスト効率が良くなり、また基本的に他の部品とのアッセンブリも容易となります。
レンズの長さを変えることは、任意のレンズパラメータに適応させることにおいて非常な柔軟性を有します(高い研究開発の手間や費用なしに特別なご要求に合わせた焦点距離や作動距離が可能なことなど)。
例えば、適切なレンズ長を選ぶと平面像がレンズ端面に直接結像されるので、光ファイバーのような部品もレンズ面に対して直接接合することができます。

Fig. 1.   GRINレンズ

従来の球面レンズ



GRINTECHでは銀またはリチウムによるイオン交換によって特殊なガラス材のGRINレンズを製造しております。
従来のGRINレンズ製造に用いられていたタリウムによる技法とは対照的に、このGRINTECH独自の技法によって製造者や使用者にとって毒性や健康・環境リスクがないことが、特別な屈折率分布を形成する場合において顕著に示されています。

GIRINTECHの銀イオン交換では、タリウムでのイオン交換と同様に屈折率を0.145まで変えることができます。銀イオンをガラスの中に注入あるいは抽出することで、可視及び近赤外域においてNAは0.6まで許容角度は70度までの集光レンズや拡散レンズを作れます。この注入・抽出のプロセスを円柱あるいは板状のガラス材に用いることで、光学平面をもつロッドレンズやシリンドリカルレンズとなります。


棒状または円筒形状の集光・拡散レンズという広い対応範囲により、GRINTECHは小型のGRINレンズシステムや部分組立品(微小光学望遠鏡、内視鏡イメージシステム、ダイオードレーザー用のアナモルフィックビームシェイパー、微小光学スキャナー、高性能単レンズなど)を提供できます。また、同社の持つ光学デザインの能力により、お客様の要求されるシステムにも対応します。



- GRINレンズを用いた光学設計の技術詳細 -

放物形状に近いラジアル型屈折率分布により、周期やピッチ長は入射する光線の高さ位置や角度に影響されることなく、GRIN集光レンズ内部において連続的なコサイン光線追跡となります。(Fig 2を参照)


Fig. 2. GRIN集光レンズ内における異なるピッチ長の光線追跡


- 異なるレンズ長を選択することで、同じ屈折率分布を用いて様々な画像設計を実現 -

・ 1/4ピッチレンズはレンズ入射面の点光源において無限遠に結像します、あるいはコリメートします。主に、このような性質はシングルモードやマルチモードファイバ、またレーザーダイオードのコリメートに用いられています。高出力のレーザーダイオードにおいては、GRINシリンドリカルレンズが速軸コリメーション(Fast-Axis collimation)に使われています。また、複数のGRINコンポーネントを組合せると、小型の微小光学システムへの組込みも容易です。


・ 1/2ピッチレンズはレンズ入射面にある対象(被写体)を反転して出射面へ結像します。(倍率 M= -1)


・ 1ピッチ(あるいは2、3〜ピッチ、それぞれ)のレンズは、レンズ入射面にある対象(被写体)を全く同じに出射面へ結像します。(倍率 M= +1)こうしたレンズは内視鏡のリレーレンズとして用いられており、像を内視鏡の前面部からアイピースへと透過させます。(Fig 3を参照)


Fig. 3. GRINレンズを用いた内視鏡用レンズ


・ 内視鏡用対物レンズは1/4ピッチレンズよりも多少長く、レンズ出射面において作動距離(3〜25mm typical)と大きな視野角(3+/-30度)で見えるオブジェクトフィールドを縮小寸法で映します。(Fig 3を参照)
特別なガラスに毒性のない銀イオン交換法を用いて、GRINTECHではこれらのレンズを製造しています。対物レンズやリレーレンズを直接に接着して、完成した内視鏡イメージシステムが作られます。更に、視野方向を変えるためのプリズムを対物レンズの出射平面へ取り付けることも簡単です。


・ 最適なレンズ長(zl)を選択することで、多様な倍率や作動距離が可能です。


最適なイメージ(像)の品質を実現するには、とても正確に屈折率分布が理想形状に適合しなければなりません。集光レンズでは、放物線とは若干異なる『n(r) = n0sech(gr)』という関数(分布中央では最大係数がn0)によって理想形状を表します。

ピッチの長さ(P)は勾配係数(gradient constant)を(g)としてP=2pi/gから求められます。

幾何的な勾配係数(g)は勾配屈折率の傾きの特性を示し、次の公式にある通り、レンズの長さ(zl)を用いてレンズの焦点距離(f)と作動距離(s)とを決定します。

GRINTECHの標準品レンズにおける焦点距離や作動距離の典型値はGRINTECH製品仕様に表記されております。Fig 4は先に述べたパラメータを使ったGRINシステムの光学設計方法を表しています。

Fig. 4. GRIN集光レンズによる像の形成

主平面間であるP1とP2の距離は、GRINレンズが『厚い』レンズとして扱われるべきことを示していますが、そうした事実はGRINレンズの持つ優れた像品質とアイソプラナティックな特性に影響しません。

GRINコリメーションレンズの最大許容角あるいはGRIN対物レンズの最大視野角となるJのそれぞれはNA値によって決まります。ファイバオプティクスなどの場合では、GRINプロファイルの最大変化指数から導き出されます。

nRはプロファイル限界における屈折率であり、dはレンズの直径もしくは厚さのそれぞれです。

集光レンズに加えて、GRINTECHでは光学平面を持った高NA(≈6)GRIN発散レンズも提案しています。発散レンズは、分布の中心部で指数(n0)が最小である放物線形状の屈折率分布により作られます。

Fig 5は発散レンズを通過して特徴化された光線を示しており、非常に短いレンズの焦点距離(f)はレンズの長さによっても決められています。

Fig. 5. GRIN発散レンズによる光線追跡

ただし、この場合は光線の周期的な光線軌道は得られず、これらのレンズは微小光学望遠鏡やスキャナーの生産に適しています。


ここで述べた内容は全て、GRINTECHが供給するGRINロッド/シリンドリカルレンズに通じるものです。可視光域において着色のない特別なガラスに銀イオン交換法を用いることで、高いNA(NA>0.5)を持つGRINレンズが作られ、銀含有ガラスの吸収限界は波長:370nm付近に起こります。一方、低NA(NA</=0.2)のGRINレンズはリチウムイオン交換で作られ、用いられるガラスの吸収限界は波長:235nm付近に起こります。こうした仕様詳細は製品紹介にてご案内しております


GRINTECHは屈折近視野法(RNF: Refracted-Near-Field method)という独自の製造方法によって屈折率分布を特徴化しています。コリメートレンズの品質はシアリング干渉計で検証され、波面誤差のRMS値によって表記されています。速軸(Fast-Axis)コリメートのシリンドリカルレンズには高出力ダイオードレーザーによるテストも加えられます。内視鏡レンズの像品質はCCDカメラでグリッド(最小で1ミクロン間隔)像を撮影して確かめています。


Introduction "Gradient Index (GRIN) Lenses"(PDF 257KB)


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